子どもと楽しむ登山の成功は、どの山頂に立ったかでは決まりません。子どもたちが元気に好奇心を発揮し、みんなが最後まで安心して帰ってこられることが大切です。子どもは大人と同じペースでは歩けず、疲れや寒さ、空腹のサインが出るのが遅いこともあります。よいルートとは、こうした違いを受け入れられるルートです。
変更しやすいコースを選ぶ
短くて道がわかりやすく、途中で引き-返したり、距離を短くしたりできるルートを選びましょう。長い距離を漠然と歩くよりも、湖や山小屋、滝など、具体的な目的地のある周回コースのほうが、子どもには楽しみやすいものです。日差しの当たり方や、切り立った場所のそばを通る区間、沢、一列で歩く必要がある区間も確認しておきましょう。
大人の所要時間よりも余裕を持って計画する
自然を観察する、水を飲む、重ね着を調整する、トイレに行く、ひと息つく。こうした休憩も山歩きの一部です。早めに出発すれば、行動に余裕が生まれます。特に夏は、暑さや雷雨のために午-後になる前に戻らなければならないこともあります。
必需品はすぐに取り出せる場所に
水、防寒着、雨具、行動食、救急セット、地図やナビゲーション用具は、ザックの底にしまい込まず、すぐに取り出せるようにしておきましょう。子どもにはそれぞれに合った役割を任せつつ、疲れにつながる重い荷物や責任は負わせないようにします。出発前には、大人から見える場所にいること、離れる前に声をかけること、寒さや痛みを感じたらすぐに伝えることなど、簡単なルールを説明しておきましょう。
出発時に着込むより、重ね着でこまめに調整する
子どもは歩いているときには暑くても、立ち止まると急に体が冷えることがあります。暖かすぎるジャケットの内側に湿気をためるより、薄手のウェアをこまめに着脱するほうが快適です。休憩中や風の強い場所、一日の終わりには、特に冷えに気を配りましょう。
地形と状況の変化に注意する
石や木の根、残雪のある場所では、通過に時間がかかります。難しい地形では、大人は速さではなく、子どものサポートに集中できることが大切です。状況が変わったら、コースを短くすることを、ごく自然で前向きな選択にしましょう。別のルートは、また次の機会に歩けばよいのです。
- 目で確認できる目的地と、より短い代替ルートを選ぶ。
- 水と、食べ慣れた行動食を持っていく。
- 疲れ切る前に休憩する。
- 注意が必要な区間では、大人が前後に付き、子どもを間に入れて歩く。
- 雷雨や寒さ、疲労の兆しが続くようなら、早めに引き返す。
山歩きを、少しずつ学ぶ機会に
帰ってきたら、何が楽しかったか、何が大変だったかを聞いてみましょう。その答えは、次の山歩きを計画するための大切な手がかりになります。無理な計画で苦い思い出を残すよりも、歩く時間や標高差を少しずつ増やしていくほうが、自信を育てられます。
